総合商社について

新しい分野の開拓や戦略が求められ、それぞれに対する深い知識なども求められる業種

総合商社系の業界の売上高の過去の推移をみると、2005年から2007年にかけて増加していたものの、2009年にかけては減少していました。それから、2014年にかけて徐々に増加していたものの、現在は減少傾向にあります。現象傾向にある理由は、石炭などの資源の価格が下落した影響や、中国経済の失速が大きく関係していると思われます。

商社は、良い原材料を世界中から調達することが求められており、世界の景気の動向や国の経済・政策なども大きく影響を与えるのです。長年各商社が支えとしてきた原油などの資源ビジネスに頼れなくなった昨今、商社業界は転換期に突入しているとも言われています。

総合商社の目下の課題は、新たなビジネスや市場の開拓です。新しい市場として各商社が注目している分野を例にあげると、大規模地熱発電プロジェクトやサケの養殖・加工事業、メガソーラーやメディア事業の強化などが注目され、すでに進められています。また、どの業界でも求められる低価格化も求められており、良い原材料をできるだけ低価格で取引きできることが必須となり、価格設定の見直しも課題となっているのです。それと同時に必要となってくるのが、顧客や市場などのパートナーとの信頼関係の構築です。そのために、グループ企業の強化や育成なども課題となると考えられます。

商社として広く浅い知識ではなく、専門商社として深い知識も必要となるため、グローバルに活躍できる人材育成なども重要なポイントです。今後は、現在各商社がシフトしているように、非資源分野へビジネス領域をシフトすることが求められています。そのためには、世界中のあらゆる分野のビジネスに着目し、誰もが着目していない原料の研究も積極的に行っていく必要があるのです。グローバルに競争が激化している総合商社業界は、新しい分野の開拓や戦略が求められており、それぞれに対する深い知識なども求められてくると考えられます。