食料品メーカーについて

為替の影響を受けやすく、海外展開が加速している傾向のある業種

食料品メーカー系は人々の食を支えているため、他の業界と比べても市場規模が大きい特徴があります。日本の食料品業界を引っ張っている企業は、日本ハム株式会社、明治ホールディングス株式会社、味の素株式会社、山崎製パン株式会社などです。食料品業界は企業の数が多いため、売上高はどこか1社が飛び抜けているわけではありません。食料品メーカーの動向は、メーカーが取り扱う商品によって異なる傾向があります。輸入品を使用する食料品メーカーの動向は、為替が影響する場合があります。為替が影響する理由は、円安だと輸入品の価格が上がるからです。円安が続いている日本では、輸入品を使用する食料品メーカーの苦しい状況が続いています。そのため、加工食品メーカーは相次いで商品の値上げをしています。一方、国産材料を使用している食料品メーカーは、日本の天候や商品の売れ行きによって動向を変化させます。北海道が台風被害を多く受けた2016年は、じゃがいもの収穫量が減少した影響でポテトチップスが販売休止になりました。食料品メーカーの課題は、食の安全性です。世界の中でも衛生管理が特に厳しいと言われる日本ですが、食中毒被害や異物混入の報告は無くなりません。食料品メーカーは、流通経路を追跡できるトレーサビリティ・システムを採用したり、製造工程の衛生管理を徹底したりして安全性を高めています。

日本の食料品メーカーは、海外展開を加速させる動きがあります。中でもインドネシアやフィリピンなど、経済成長が著しい東南アジアへの海外展開を進めているメーカーが多いです。また、日本のみならず、世界でも健康志向が高まっています。そのため、オーガニックの食料品や、特定の健康効果が期待できる食料品の開発に力を入れているメーカーが増加しています。この健康志向は今後も続くと予想されているため、今後もオーガニックや健康効果が期待できる食品を取り扱う企業が増えるでしょう。