自動車・輸送機メーカーについて
自動車産業大国でありながら、電気自動車の開発の加速が必要とされる業種
航空機や車両、船舶といった自動車・輸送機メーカー系の業界の中でも、日本は世界に名だたる自動車産業大国であり続けています。経済産業省の統計資料による2014年の国別の自動車生産数では、1位中国の2,372万台、2位アメリカの1,165万台に続き、日本は第3位で977万台を記録しました。世界85カ国の販売台数をグループ別で表したデータでは、日系自動車メーカーは2,845万台の販売実績を残し、全体の32.4%の割合を占めています。日系自動車メーカー内でトップになったのがトヨタ自動車株式会社、2位がルノー・ジャポン株式会社と日産自動車株式会社の合弁会社、3位が本田技研工業株式会社という内訳です。
2009年にはそれまで自動車大国として名を馳せてきたアメリカが販売台数1位を中国に明け渡し、世界に衝撃を与えました。中国国内での自動車生産台数は堅調に増え続けており、自動車のマーケットは国境をまたいで目まぐるしく変化し続けています。
自動車産業と切っても切れない関係にあるのが、環境問題です。貴重な石油燃料を消費し続けるガソリン車に対する規制を、本格化させる動向が世界各国で見られています。イギリス・フランスでは、2040年までにガソリン車やディーゼル車の新車の販売を禁止すると政府が明言しており、中国、欧州各国もこの方針に追従する方針を表明しました。
ガソリン車からハイブリッドカーと進化を遂げてきた自動車産業ですが、今後は次世代電気自動車の開発が焦点となります。ハイブリッドカーのパイオニアとしてその名を歴史に刻んだものの、その商業的成功が、電気自動車の開発に遅れをとらせた要因となっているのではないかとも言われるのがトヨタ自動車です。2017年8月には、マツダ株式会社と業務資本を提携結ぶことを発表し、アメリカで生産合弁会社を設立することを表明しました。この提携の大きな目的とされているのが、他メーカーに遅れをとってしまった電気自動車の開発とされています。従来のライバルという垣根を超えて生き残れるパートナーを探すことも、様変わりする需要に応えるために自動車メーカーが求められていることと言えるでしょう。
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